第77号(2018年7月発行)

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第2回定例会報告(6月1日〜6月25日)

ハラスメントの防止等に関する指針
(庁内におけるハラスメント対策)

行政の内部資料も積極的に市民に公表せよ!

 昨今、政治家、メデイア、スポーツ界等々ハラスメントに関わる問題が頻発し目に余る現状です。国では、前財務次官のセクハラ発言等を踏まえセクハラ対策をまとめるとの報道がありました。
 国分寺市では既に、職員向けの「ハラスメント防止等に関する指針」(以下、指針)によって、具体事例も示し訴えるしくみもあります。人権を尊重する市の姿勢は評価するものです。人権問題であるハラスメントを容認しない社会を目指すためにも、今後は、内部資料に留めず積極的な公表が求められます。

ハラスメントも障害者差別も人権問題であり、人権侵害です。
今回の一般質問では人権平和課と課名の改正もなされたことから、改めて市の取り組みについて問いました。

ハラスメント対策としてのセクシャルマイノリティにおけるアウティングの禁止

皆川りうこ
国立市の「女性と男性及び多様な性の平等参画条例」では「アウティング」禁止と基本理念に規定されている。国分寺市でもアウティングの禁止について、研修や講演会等で取り上げるべき。
市民生活部長
既にLGBTに関する講演会など開催している。アウティングについても人権問題に関わる大事な視点でありその様にとらえていく。
皆川りうこ
アウティングについて市の指針へも位置づけ、課名も改正したのだから速やかに指針を見直すべき。人権に関わる市の取り組みについて内外に知らせることも必要ではないか。
政策部長
表現やことばなど時代と共に変化している。職員向けの指針だが、公表についてその意味など整理して考える。

【アウティング】とは、他人が本人の意に反して公表したり、誰かのことを言うこと。これに対して【カミングアウト】は個人の自由による性的指向、性自認の公表を選択すること。

政策と組織名はリンクするものです。

改正のたびに「男女平等」の言葉が消えゆくことへの懸念から「これまで以上に男女平等施策等の人権に関わる施策が低下せぬよう取り組むように」と求めてきました。

平成18年「国分寺市男女平等推進条例」制定後の課名の変遷

課名の変遷図


「政治分野における男女共同参画推進法」5月に全会一致で成立

皆川りうこ
この法律は、各政党に一定の割合で女性候補を擁立するようにとの努力規定が盛り込まれているもの。市として必要な施策等取り組むべきではないか?
市民生活部長
国、都の動向、他自治体の動向など注視して対応していきたい。


H32開始の会計年度任用職員制度

皆川りうこ
これまで、嘱託職員、臨時職員は地域事情を踏まえての任用、採用がなされてきた。H32から始まる会計年度任用職員制度は国が定める一律の制度だ。市としては条例等の整備が必要となるが多くの疑問、懸念がある。「任用期間は1年の固定化。一年で雇止め!?」「新たな官製ワーキングプア?」「正規職員と同じ業務を担うが低処遇で、その固定化が合法化される」等々。現場の職員の疑問、意見をしっかり聴きながら取り組むべき。
政策部長
懸念は分かる。制度についてはこれから構築する。国、他自治体等情報交換、市の実態を踏まえ制度設計していく。


【PDCA】アウトプット(活動指標)からアウトカム(成果指標)へ。

皆川りうこ
事業への参加人数も大事だが、アウトカムの視点も重要。例えば対象者を何人としていてその結果、成果は?事務事業評価シートには成果指標の欄がない。シートの見直しが必要ではないか。
行政改革等担当部長
記載内容の不一致については来年度以降整理して行きたい。


再開発ビル、高層ビル建設に伴う高齢者の孤立化等の心配

皆川りうこ
再開発ビル完成に伴い、権利者の高齢化の課題がある。高齢になっての引っ越しはストレス。これまでとは異なる住環境により様々な戸惑い。市内高層ビルにおいても同様。コミュニテイが途切れることのないよう市としての対応は?
まちづくり部長
再開発事業に関しては、権利者13戸が入居している。清算行為に関わり、引き続き面談等機会がある。今後も継続し対応していく。
健康部長
都市部ならではの課題と認識している。民生委員や地域包括センターからも生活状況の把握がしにくいとの声あり。マンションによっては管理組合に出向いてセンターの役割など紹介し連携に努めている。
皆川りうこ
今後も関係課、福祉とも連携して対応するように。


「障害者差別解消法支援地域協議会」の設置。差別解消の市の条例制定を!

皆川りうこ
「合理的配慮」「社会モデル」「過重な負担をしないように」とはどのようなことか?
福祉部長
障害権利条約を踏まえた今日の障害者の課題は、障害は主に社会によって作られた仕組みに原因があり、ハード、ソフト面双方の環境整備によって社会的障壁を取り除いていくといった「社会モデル」の考え方に基く社会的障壁の除去のための無理のない環境整備やサポート、これが「合理的配慮」と呼ばれる。市にはこのことが求められている。
皆川りうこ
障害者差別に関わる相談があった場合の仕組みとして「障害者差別解消支援地域協議会」の設置を検討せよ。また、立川市では「障害のある人も無い人も共に暮らしやすいまちを作る条例」が4月に施行された。国分寺市においても条例制定に取り組め。
福祉部長
法律改正、東京都でも条例制定の動きもある。他自治体の状況等の動向を見極め必要性を検討して行きたい。

皆川が求めて実現!
現在市の指定管理者制度の運用指針、募集要項、モニタリングチェックに「合理的配慮」の記載がされています。これまでは努力義務だった「合理的配慮」について、事業者にも適用されることとなります。