皆川メモ

ニュースレター98号にてお伝えした、東京都に提出した意見書です。

意見書第1号
有機フッ素化合物(PFAS)の汚染原因究明と対策を求める意見書

東京都多摩地域の井戸水から有機フッ素化合物(以下「PFAS」という。)が検出され、国分寺市を含む広範囲での水質汚染が明らかになった。

PFASは泡消火剤やフライパンの表面加工、はっ水剤などに幅広く使われている有機フッ素化合物の総称で、自然界では分解されにくく、体内に蓄積されやすい性質から「永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)」とも呼ばれ、発がん性や胎児・乳児の成長阻害などの懸念から都民の不安が高まっている。

本件について、環境省は令和5年7月31日発表の「PFASに関する今後の対応の方向性」で、「化学物質の人へのばく露量モニタリング調査」において、現在PFOS、PFOAを含めた化学物質の血液や尿中の濃度もパイロット調査として実施しているが、今後有識者の助言を得つつ調査規模拡大や自治体との連携などの本調査の実施に向けた検討を進める必要があり、地域における存在状況に関する調査として環境モニタリングを強化することが妥当としている。

また、水道事業を所管する東京都は、給水栓(蛇口)において暫定目標値を超過または超過するおそれのある場合には、PFOS及びPFOAの濃度が高い井戸からの取水を停止する等の対応を行っている。加えて、都内260ブロックの地下水調査を今年度中に完了させるとともに、高濃度地域では調査地点を追加し、市区町村と連携していくとしている。

なお、「お鷹の道・真姿の池湧水群」をはじめとする豊富な湧水を守ってきた歴史がある国分寺市では、現状、水道水は暫定目標値以下となっているが、市内24か所に設置された災害用給水施設である「むかしの井戸」においてPFAS濃度を継続的に測定する等の独自対応を講じている。

これらはいずれも重要な対応であるが、都民の不安解消と貴重な資源である地下水を保全するため、一日も早い汚染原因究明と除去対策に向けたさらなる取組が求められる。

よって、国分寺市議会は、東京都に対し、下記について求める。

  1. 国と連携の上、PFASによる汚染原因を究明し、その情報を開示すること。
  2. 地下水並びに水道水のPFASの除去・低減に向け尽力すること。
  3. 希望者が血液検査を受けられるようにすること。
  4. 自治体が実施する地下水の独自調査・検査等に対し、財政的支援をすること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

令和5年9月28日
東京都国分寺市議会


ニュースレター86号にてお伝えした問題について

議長就任時代に以下のような問題意識を持ちました。今後は、国分寺市議会として議長に就任した方が、他市への働きかけなどの取り組みを望むものです。なお、当時の役員市の議長とは情報共有しています。

2022年3月31日

東京都北多摩議長連絡協議会に関して将来的に「廃止、解散」すべきとの問題提起

現在、議会費の中に、議員の報酬等事務経費として「東京都北多摩議長連絡協議会(以下協議会)の負担金一万円」が毎年計上されています。
「協議会」はその目的として「地方自治法の本旨に則り相互の連携のもとに各都市の発展を図ること」とあり、平成5年に当時の小金井市議会議長からの発意により、多摩26市中17市の議長により設立され、現在まで29年経過しています。令和2年度には、役員市就任の順番で、国分寺市が「協議会」の会長市となりましたが、コロナ禍により総会は書面議決とし、主だった活動である研修会は中止と判断いたしました。尚、現在も開催されていないとのことです。一方、会長市となったことで、「協議会」の様々な課題も見えてきました。 

29年にも及ぶ活動の中では、平成25年に西武鉄道の不採算5路線廃止との報道を受け、国交省への陳情行動、(株)西武ホールデングス、米投資会社サーベラス社に対し「運行の継続、存続の確約を求める」決議を提出するなど一定の成果も得られたといえます。
しかし、この間、何度か「協議会」の存続意義、廃止の議論もあり検討され、会の充実発展を望む声があり存続するのですが、その後、特段それに匹敵した活動があったとは言い難いところです。さらに毎年積み増しされる繰越金についても問題視され、その使途等に関してアンケートも実施されました。(バッジを作る、講師の書籍を購入する等の意見あり)令和2年度決算の繰越金は946,907円となりましたが、年間予算が17万円+利息という金額を考えると、自治法208条第2項 会計年度独立原則の主旨からして決して適切ではありません。また、17市の共通課題を見出すことが難しいとの指摘もあります。

このような現状を踏まえ、令和9年度には17市の役員市が2巡目を終えることから、それまでに「協議会」の「廃止、解散」することが望ましいと考えました。
そもそも、17市はすべて東京都市議会議長会の構成市でもあり、既に課題を見出し意見等述べることは行われています。仮に、廃止後に何らかの課題が生じたとしても議長会の規約13条「総会での議決により専門委員会を置くことができる」が参考になると考えます。